歯科

保険の入れ歯が痛くて合わない!その理由と歯医者の選び方を解説

こんにちは。ギボンヌです。

入れ歯を作ったけど痛くて噛めない。

歯医者に行って訴えて調整してもらっても、今度は別のところが痛くなる。

何度も通ったけど、良くなる気配がない。

挙げ句の果てに、歯医者の先生に「保険の入れ歯はこんなのだ」「これ以上どうにもできないからもう来るな!」と言われ追い返されたなどという話も聞き心が痛んでおります。

皆さまはそんなことありますか?

実は、入れ歯が合わないのには深い理由があるんです。

歯科技工士になって24年目の私が「入れ歯が合わない理由」と「入れ歯が上手い歯医者の見極め方」を分かりやすく解説してみようと思います。

入れ歯が合わない理由

製作工程の問題

保険の入れ歯を作るには必要な手順があります。

その手順をとばせば合いにくくなります。

多くの歯科医院で保険の入れ歯を作る際にとばされている手順があります。

それは「個人トレーでの型取り」です。

保険の入れ歯製作では多くの歯科医院で「既成のトレー」で型取りをしています。

「個人トレー」とは個人個人の歯と顎堤と粘膜に合わせたトレーを作製し、それで精密に型取りをします。

「個人トレー」は保険点数がつかないため作らずに入れ歯作製することが多いようです。

しかしながら、歯科技工士は多くのケースで「個人トレー」なしで合う入れ歯を作るのは困難だということを知っています。

粘膜が当たって痛くてどうにもならないような場合はこうした工程の問題が考えられます。

製作方法の問題

入れ歯を作る製作方法は一つではありません。
ですが、保険の入れ歯を作るのは、ほとんどが昔ながらのやり方です。

それは、石膏の雌型にレジンを充填し、鍋で加熱する、というやり方なのですが、これは、膨張と誤差がとても大きいやり方です。

万力で圧をかけるので、どうしても浮き上がります。

大手の歯科技工所で大量にこなせるために大型機械を使いますが、これでも、かなり膨張と浮き上がりがあります。

ですが、石膏に埋めてしまうので、完成させる前に、歯科技工士か入れ歯の噛み合わせを再度チェックすることはできません。

やろうと思えばできるのですが、効率的に保険の入れ歯ではやりません。

これは、歯医者さんが噛み合わせの調整に時間がかかる理由の一つです。

製作工程の問題

保険の入れ歯の多くは流れ作業で作られています。

私が入社一年目に受け持った仕事は、入れ歯のレジンの充填と炊き上げと割り出しでした。

この割り出しでは、下手にやると変形します。

これは懺悔なのですが、「変形したかな?」と思うことが幾度もありました。

でも、副模型がないので誰も確かめようもありませんでした。

2年目の先輩は入れ歯の研磨を受け持っていました。

今、一人で全て通して入れ歯を作っていて思うのは、2年目の人が入れ歯のカタチを理解しているわけがないですし、粘膜面を見る力を持っているわけがありません。

入れ歯の長さは1ミリ違っても大きく変わります。

新人が受け持たなければ仕方がない状況も入れ歯の具合に影響しています。

製作工程の手抜き

歯が残っている場合は模型上で着脱方向を確認して記録してゆきます。

保険ではその工程がとばされることが多いようです。

部分入れ歯でどうしても入らないようなケースはこれが理由の一つかもしれません。

他にも細かい理由はあるのですが、大きな事としてはこの4つだと思います。

合わない入れ歯はずっと合わない

通常、工程を経ていると、出来上がったときには少しの調整で、痛みがない状態で帰ります。

使っている間に痛みが出る場合は、再度調整をしてもらいましょう。

入れ歯が出来上がった時にどうしても合わない、痛くて仕方がない場合、その後は調整しても合わないことが多いでしょう。

工程を経ていないのに、付け焼き刃で調整して合わせるなどというのはさらに困難なことなのです。

そういう場合は出来上がったその日に、「作り直して欲しい」とはっきり伝えたほうがいいでしょう。

同じ工程であれば、また合わないかもしれませんが、「合わない」という状況を歯科技工士にも伝えることができます。

入れ歯が上手い歯科医師の見極めかた

歯科技工士サイドのことは患者さんからは選びにくいでしょう。

けれど、入れ歯IQが高い歯科医師を選ぶことはできると思います。

入れ歯IQが高い歯科医師が選ぶ歯科技工士ということになりますから。

入れ歯を作る際には、回数や手順を確認してみましょう。

小さな入れ歯は型取りをして、その日に噛み合わせも調べて、次の回に完成さる場合もあるので、当てはまりませんが、そこそこ大きな入れ歯だとこんな工程をとります。

通常の工程は

個人トレー用の型取り

個人トレーでの型取り

噛み合わせの位置を調べる
(状況によってはしないこともある)

仮に人工歯を並べて試敵する

完成

早ければ4〜5回でできます。

(例外)
・少数の歯の入れ歯や中間の歯の入れ歯の場合は個人トレーなしで作れる場合があります。

・事故や紛失の場合、後に作り直すことを前提として大急ぎで作製することがあります。

つまり、1週間づつお時間を頂くので、入れ歯を作るのは1ヶ月くらいかかるということになります。

もしも、小さくもない、前歯を多く含むような入れ歯なのに「3回でできる」と言われた場合はもしかすると工程をとばすのかもしれません。

個人トレーが保険点数がつかないため、自費の入れ歯の製作の時だけ個人トレーを製作するという歯科医も多いですが、個人トレーでの型取りはたまにしかやらないと上手くなれません。

それに個人トレーでの型の取れ具合を違い理解している歯科医は保険の入れ歯でも個人トレーを製作するようにしていると思います。

それは、「損して得を取る」という考えかたをしているのだと思います。

そんな賢明な歯医者さんを選んでいただけたらと思います。

おわりに

歯医者さんでは入れ歯がすぐにできると思われるかたも多く、1ヶ月もかかると伝えると驚かれることもあります。

「急いで欲しい」という要望にはなるべくこたえていきたいとは思いますが、工程を減らすより、製作日数を減らす対応にならざるをえません。

これは歯科技工士が身を削るのでいつもできることではありません。

良い入れ歯を入れるには最低限の回数が必要です。

急げば、逆にあとで長く痛かったり合わなかったりして時間がかかってしまったりします。

合わなくても、6ヶ月は保険での作り直しがほかの医院でもできなくなったりしますから、ぜひ、じっくりお付き合いいただけたらと思います。

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ギボンヌ
こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。