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卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝第1話【日向の女】ネタバレと感想

こんにちは。ギボンヌです。

「卑弥呼(ヒミコ)-真説・邪馬台国伝-」(作 リチャード・ウー、画 中村真理子)がビッグコミックオリジナルで連載が始まりました。

面白いですね。

どっぷりハマっています。

中村真理子さんの美しい絵、王道で好きです。

こちらでは「卑弥呼(ヒミコ)-真説・邪馬台国伝-」の文字起こし、ネタバレと、私の感想をお届けします。

ネタバレから漫画を読みたくなってしまうと思います。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝 第1話【口伝1日向の女】ネタバレ

洞窟の暗闇の中に落ちる水滴が裸足の女の足に滴った。

「私(わ)は暗闇の中で死ぬ!

思い返せば

短いが
波乱万丈の
人生だった!」

女は漆黒の長い黒髪で、鋭い眼で暗闇に独りたち前を見据えている。

倭人は帯方郡の東南、
大海の中に在り。
山島に依りて国邑(こくゆう)を為す。

旧(もと)百余国。
漢の時、朝見(ちょうけん)する者有り。
今、使役(しやく)通ずる所三十国なり。
(魏志倭人伝より)

ーーーーーーー

日向・弥生時代

照りつける太陽のもと、百人余りの首が切り取られ、長い鉄の武器に刺されて平原にさらされている。

顔に刺青のある兵士らしき者もいれば、女の首もあり、首から武器へ黒ずんだ血が滴っている。

鉄の武器で武装した全身刺青の入った男が2人、この首の墓場の見張りをしている。

「カサッ」

見渡す限り広がる平原に人影もないのに音がしたことに驚く男たち。

不気味な風が通り過ぎる。

その草むらの中に這いずる野生児のような少女の鋭い眼光が光っていた。

見上げると、ギラギラ照り付ける太陽が欠けてきている。

皆既日食だ。

動揺する男達。

「おお!おてんとうさまが……
欠けてゆく……
この世の終わりか?
恐ろしい。」

その瞬間、

少女は青銅の武器をもって飛び出した。

ひとりの男の首を後ろからひと刺しし、血しぶきがあがる。

声も出ない。

呆然と立ち尽くすもうひとりの男のこめかみを正面からひと刺し。

野生児のような眼をした少女は浴びた血しぶきを拭う。

剣をしまって、1つの首を抱え上げ、抱きしめ、走り去った。

それは漆黒の長い黒髪の女の首。

ーーーーーー

生きたものがいなくなった首の墓場は、カラスが群がり、餌食となっていた。

ーーーーーー

皆既日食が過ぎた頃、そこへ現れる一行があった。

ヒルメが率いる一団だ。

ヒルメ「むごい……百人は死んでいる」

女「この地の武器はいまだ青銅(アオカネ)。鉄(カネ)の武器にはひとたまりもありますまい。」

ひとりの兵士が太陽を見ていう。

兵士「ヒルメさま。お暈(ヒガサ)さまのご機嫌が直ったようです。」

ヒルメ「では、急ごうか」

女「賊は穂波(ホミ)の国の者でしょうか?」

ヒルメ「ここは日向(ヒムカ)。穂波の族が都萬(トマ)を超え越え、ここまではこられまい。」

兵士「おそらく、内海から上陸した五百木(イオキ)の海賊と思われます。」

付き人「まったく!倭国(このクニ)はいつまで戦乱が続くのでしょうか。」

ヒルメ「言うな、トヨタマ。それも近く終わる。」

トヨタマ「あ、あい。」
と口をふさぐ。

別の女「ヒルメさま、あれは?」

女が指をさしたところには、先程野生児のような少女が刺し殺した男が2人転がっていた。

ヒルメ「見張りがいたということは、祟りを恐れたということ。槍の穂先には当地の日の守りの首があったに違いない!」

トヨタマ「その首が消えたということは?」

兵士「この賊たち、青銅で殺されております。」

ヒルメ「武器は劣っていても……日向にも手練れがいたようだな。」

兵士「まだ賊の一団は近隣で襲撃を続けております。留まっていては危険かと……」

一団を飛び交うカラスが見下ろしていた。

ーーーーーーー

その頃、野生児のような少女は崖っぷちの木の下に木の道具を使って穴を掘っていた。

そこには、首だけを晒されていた長い漆黒の黒髪の女の切り離された身体もあった。

首と身体がそろっていた。

背後から声がした。

「日の守を埋葬しているのか?」

その声に反応した少女は青銅の剣を鞘から抜いて構えた。

少女「いつの間に!?」

ヒルメ「刀を下ろせ。吾らは敵ではない」

兵士「無礼者!こちらは暈(クマ)の国の日の巫女の長、ヒルメさまだぞ!」

少女「暈からわざわざ物見遊山にでも来たのか?日向はどの国な属さぬが、暈が守っているのではなかったのか?」

トヨタマ「日向は遠い。知らせを聞いて駆けつけたがておくれだった。

少女は一行を睨みつけながら、剣を下ろした。

ヒルメ「娘……なぜ危険を冒してまで首を奪った?」

少女「おっかあが、天照さまに召されるため。」

ヒルメ「おっかあ?日の守の養女か?」

別の女がヒルメの後ろからそっと耳打ちする。

「そういえばこの子、その齢で、顔や体に黥(イレズミ)を入れていませんね。」

ヒルメ「お暈(ヒガサ)さまが欠けた時、賊が動揺するのを狙って襲ったようだが……日の守の養女ゆえ、天照さまの動きが読めるのか。」

少女「穴を掘るのを続けていいか?」

ヒルメは兵士のホオリに少女の穴掘りを手伝うように言う。

少女は兵士に手で掘るように言う。

ヒルメ「ところで娘、これからどうする?邑は全滅……日の守は継げまい。」

少女「おっかあを供養したあとは、ただひたすら生き残ることを考えるだけさ。」

少女は生みの親の顔も知らない。
弟は昨夜の襲撃で逃げ遅れ、生きてはいないだろう。

ヒルメ「己ひとり生き残ることで必死か?」

少女は兵士に遺体の足の方を持たせ、掘った穴に「おっかあ」を埋葬する。

別の女がヒルメに耳打ちする。

「ヒルメさま、この少女、なかなかの忠義者。連れ帰りませぬか。」

ヒルメ「イクメ……私(わ)もそれを考えていた」

トヨタマ「しかし……日の巫女見習いに加えるには齢を取りすぎております。」

ヒルメ「戦部(イサベ)に入れて、鍛えるのはどうだ?」

イクメ「おお、戦士(モノノフ)としての腕は実証済み!」

「おっかあ」の首を体に戻して埋葬した少女は遺体を見つめる。

ヒルメ「娘……吾らと来る気はないか?」

イクメ「見習いとして種智院(シュチイン)で修行せぬか?」

娘は立ち上がってヒルメを振り返った。

ヒルメ「名前は?」

少女「ヤノハ。」

その時の私(わ)には彼らに従うしか生きる術がなかった。

ーーーーーーー

そこは暈の日の巫女集団の学び舎……
種智院と呼ばれる見習いの女ばかりの邑だった。

「倭国は8つの島からなる

そしてこの百年、各国は相争っています。

倭国大乱です。」

イクメが邑の女たちに倭国の状況を話し聞かせる。

ヤノハは女たちの列に座り、その後ろに少し間を空けて座る女。

女は右の下顎にホクロがある。
長い髪の頭頂部のみ結い上げ、赤い衣を着たほかの女とは位の異なるであろう女はイクメの講話を静かに聞きいる。

「イクメさま、戦いの原因は?」

イクメ「鉄(カネ)です。

鉄の原料は韓(カラ)よりもたらされます。

商いを独占するのは那(ナ)、末盧(マツラ)、伊都(イト)の三国。

特に那は穂波(ホミ)と協定を結び、川を渡り内海に出る権利を獲得した。」

韓(カラ) 朝鮮半島

那(ナ) 末盧、伊都の東側から南側の広い範囲。現在の福岡県のあたり

末盧(マツラ) 現在の佐賀県東松浦半島の辺りに位置する。壱岐水道を挟んだ先に壱岐があり対馬の先には朝鮮半島がある。

伊都(イト) 末盧の南側に位置する。現在の福岡県と佐賀県を挟む位置にある。

穂波(ホミ) 現在の大分県のあたりに位置する。

都萬(トマ) 現在の宮崎県のあたりに位置する。

暈(クマ) 現在の熊本県から鹿児島に渡る広い範囲に渡る。

イクメ「だが、内海に接する五百木(イオキ)、伊予(イヨ)、穴戸(アナト)、そして伯方(ハカタ)が那に通行税を要求した。

さらにその取り分をめぐって争いを起こしたのです。」

五百木(イオキ) 現在の愛媛県西部あたり。

伊予(イヨ) 現在の愛媛県の東部あたり。

穴戸(アナト) 現在の山口県西部

伯方(ハカタ) 山口県の周防大島など、瀬戸内の島と思われる。

イクメ「大倭豊秋津島(オホヤマトトヨアキツシマ)と伊予之二名島(イヨノフタナノシマ)の諸国と独占的に鉄の商いができたのですね。

那の富は倭国一!!

暈(クマ)以上です。」

大倭豊秋津島(オホヤマトトヨアキツシマ) 現在の本州と解釈されるが主に畿内を中心とした地域を指していると思われる。

伊予之二名島(イヨノフタナノシマ) 現在の四国のこと。

イクメ「一方、鉄の道を閉ざされた秋津島のほかの二十余国が決起し、倭は混沌を極めておる。」

女たち「それらを鎮めるのが吾らが暈の王。タケルさまですね!」

イクメ「タケル王こそ真の日見彦。
王に天照さまのお告げが降りれば
世は太平です。」

女たちはタケル王に望みを託しており、希望に満ちた顔をみせた。

女たち「いつタケルさまに、平和のお告げが降りるのでしょう。」

「わからぬ。」
イクメは首を振った。

イクメ「それまでにおまえたちは懸命に学ぶのです。
天照さまへの奉仕の心……
この国の言い伝え……
そして漢字を。

海の向こうは韓。
帯方郡のその先には巨大な帝の国がある。
今は後漢と呼ばれている。」

女たちはイクメの講話にはまだついていけていないようにイクメの言葉を繰り返すようになぞった。

イクメ「たとえば吾らのお仕えする暈の国。
〝日〟という文字の下に〝軍〟と記します。
天照さまの下で戦うという意味です。」

ヤノハ「おひさまの下で……
戦う……」

ーーーーーーー

日の巫女は総勢千人。
王の側近である紫の冠位が最高で全部で十二色あるという。

紫の冠位には日の巫女の頂点、祈祷部の長ヒルメさま。

二番目の薄紫は副長のウサメさまだ。

ーーーーーーー

晴れ渡る日なか櫓の元に槍を手にした女たちが集まる。

戦部(イクサベ)だ。

ひときわ身体の大きな女が声を上げた。

「私(わ)の名はククリ。戦部の師長だ。

戦部とは日見彦さま……
そして日見彦さまにお仕えする巫女集団を守る女子だけの近衛兵。

おまえたちにはあらゆる武器を教え込む。

おまえたちの命は天照さまのもの!

手がちぎれようと足がもげようと、
王と日の巫女集団を守るのが使命だ!」

「おう!」

私は戦部の見習い。

戦部は祈祷部を頂点とする多くの部の最下層。

見習いの色はうす黒だ。

ヤノハと戦部の見習いの女が相撲を組んだ。

互いに首の後ろに手を回して組み合ってから戦い始める。

互いに蹴り合って勝負を決める。

相撲と言えども、現在の相撲とは違い、なんでもありである。

見習いの女は、先手でヤノハに膝蹴りを食らわせる。

ヤノハが唸り苦しむ様をみて、見習いの女はもうひと蹴り……

と思ったら見習いの女の膝をすり抜けヤノハの膝蹴りが見習いの女のみぞおちに深く刺さった。

師長のククリと周りで観戦する見習いたちはこの戦いに声を上げる。

見習いの女が身を離し
ヤノハの右頬に拳を見舞う。

ヤノハの目が変わる。

見習いの女の首に組みかかったかと思うとヤノハは首を後ろに反らせた。

見習いの女はヤノハの動きが分からずに気を抜いたその時、ヤノハは強烈な頭突きを見舞う。

意表をつかれた見習いの女は1度目の頭突きで意識が飛んでいる。

その後はヤノハのされるがままに頭突きを受け続けて、ついに白目をむいて倒れた。

無情なヤノハは取り憑かれたようにその腹を容赦なく蹴り、顔面を蹴り、内臓が潰れんばかりに腹をふみちぎる。

女は痛みに悶える。

ついにククリが止めに入る。

「もういいっ、ヤノハ!

おまえの勝ちだ!!

誰か止めろ!!

ヌカデが死んでしまうぞ!

殺し合いではないぞ!」

だれも取り憑かれたかのようなヤノハを止めることが出来ず、ついに男たちも集まってくる騒ぎとなった。

ーーーーーーー

ヤノハは邑(ムラ)を見渡せる屋根の上に登っていた。

そこに声がした
「あの山が山社(ヤマト)!」

そこには講話で後ろに座っていた赤い衣の女がいた。

ヤノハ「山社の国……?」

赤い衣の女「山社は国ではありません。
天照大御神(アマテラスオホミカミ)に一番近い聖地です。

そこでは吾らの年長……およそ千人の巫女が平和を祈っています。」

女はヤノハの横に腰をかけた。

「モモソです。」

ヤノハ「いいのかい、こんなとこに上って。
赤い衣ってことは、日の巫女の最高位……祈祷女見習いだろ?」

モモソ「いいのです。気分転換に外の世界がみたくなったから。」

見渡す広場では男たちが盾と木刀を手に戦の訓練をしているのが見える。

モモソ「実は私ね、正式な祈祷女になる前に死ぬ運命なの。」

ヤノハ「え?ど、どうして死ぬんだ?」

モモソ「たぶんトンカラリン。」

ヤノハ「トンカラリン?」

モモソ「天照さまがどの巫女の身に降るかを見る命がけの儀式。ヒルメさまはそれを復活させるおつもりのよう。」

ヤノハ「なぜそんなことを?」

モモソ「倭国大乱を鎮めるには、どうしても日見子が必要だから。」

ヤノハ「ヒミコ?それ、誰だ?」

モモソ「暈のタケル王に天照さまが降りるという話は虚構(マヤカシ)。

その虚構ゆえ、倭国のほとんどの人は死ぬ運命だわ。」

ヤノハ「おまえ、なぜそんなことを……!?」

モモソはまぶしいほど美しい微笑みをヤノハにむけて言った。

「私には未来が見えるの。」

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漆黒の美しい黒髪の女が洞窟の暗闇の中で眼を開きなにか見えない先を見据えている。

モモソとの出会いが私を暗闇と死へと導いた。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝 第1話【口伝1日向の女】感想

2019年3月29日に単行本が発売となった卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝 第1話【口伝1日向の女】のネタバレをお送りしました。

文字で読むと、難しいですね〜。

漫画の中には当時の地図も書いていますから、わかりやすいです。

やはり、こういう歴史ストーリーは漫画で読むとハマりやすいな、と思います。

興味深いのはトンカラリンですね。
http://inoues.net/ruins/tonkararin.html

トンカラリンは熊本の菊水町に古代遺跡が残されています。

研究者が調べていますが、まだ謎が多い遺跡のようです。

リアルに地名が繋がることや、遺跡があることが更にストーリーを興味深いものにします。

最初の洞窟のシーンの漆黒の髪の女が謎です。

なぜ洞窟にいるのでしょう?

誰なのでしょう?

どうやら洞窟の女がこの先のストーリーにつながってゆく重要な意味があるようですね。

さらに漫画を楽しんでいただけると嬉しいです。

お読みくださりありがとうございます。

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ギボンヌ
こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。