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卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝第2話【ヤノハとモモソ】ネタバレと感想

こんにちは。ギボンヌです。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝、第1話【日向の女】が終わり、第2話【ヤノハとモモソ】です。

1話では、日見彦と日見子の謎に満ちた言い伝え、誰が味方かも見えてこないまま、洞窟の中にいる女も謎のままでした。

2話ではそこから話は進み、想像しないほうへ展開してゆきます。

今回からネタバレと感想に加え、これまでのあらすじと、登場人物についても注釈を入れますが、不要な方は飛ばしてください。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝 これまでのあらすじ

時は弥生時代、倭国大乱の世が百年続いていた頃、日向(ヒムカ)は賊に襲撃され邑(ムラ)は皆殺しにされ壊滅状態となっていた。

日向の日の守の養女である少女ヤノハはたった一人の生き残りである。

暈(クマ)の加護の元にあった日向の襲撃を聞きつけ向かった暈の国の日の巫女、長ヒルメ一行は、危険を冒してまでも養母を弔うヤノハを忠義者と見、戦士として鍛える狙いで暈へ連れ帰った。

そこでヤノハは祈祷女見習いのモモソと出会う。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝 登場人物

ヤノハ 日向(ヒムカ)の生き残り。日の守りの養女。

ヒルメ 暈(クマ)の日の巫女 祈祷部(イノリベ)の長

ウサメ 暈の日の巫女 祈祷部の副長

トヨタマ 暈の日の巫女

イクメ 暈の種智院で見習いの女に講義している

ホオリ 暈の兵士

ククリ 暈の戦部の師長

ヌカデ 戦部でヤノハと相撲の試合で殺されかけた見習いの女

暈のタケル王 天照が降りる「日見彦」と信じられている。救世主と信じられている存在。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝【口伝2ヤノハとモモソ】ネタバレ

洞窟の暗闇の中鋭く光る眼、白い貫頭衣を纏った漆黒の髪をした美しい女がいた。

私はヤノハ。

暗黒の中で死んでゆく運命……

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其の南に狗奴国(クナコク)有り。

男子を王と為す。

其官には狗古智卑狗(ククチヒコ)有り。

(魏志倭人伝より)

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暈(クマ)の種智院にある戦部では見習い女たちが戦のために木刀での戦術の訓練をしていた。

ククリ「はじめよ」

ずんぐりとした見習い女はヤノハを睨み、上段に構える。

ヤノハは静かに下段に構え、向き合う。

にじり、にじりと、互いの間合いをはかる。

見習い女は奇声とともに振りかぶる。

ヤノハは身をかわし、女の小手を打つと、そのまま掬い上げるように女の木刀をハネ上げる。

木刀はクルクルと回転しながら頭上に消えた。

次の瞬間にはヤノハの木刀は女の喉元を指しており、女は身動きも出来ず、額から汗が流れ落ちた。

周りのものはヤノハの剣術にザワついた。

ククリ「まず、敵の小指か足の指を切り、次にとどめを刺すという剣技が日向にあると聞くが……はじめて見たよ。
見事だ、ヤノハ!」

ククリは手を叩いてヤノハを労った。

訓練の後、ヤノハと離れたところでククリと別の戦部の師長とがヤノハに目をやりながら何か話している。

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ヌカデ「おまえ、早死にするぞ。」

ヤノハ「え?」

ヌカデ「戦柱だ。」

ヤノハはその意味がわかっていない。

ヌカデはやれやれというように、ヤノハに耳打ちした。

ヌカデ「抜きんでた戦女(いくさめ)見習いは初陣が特別に早い。

柱とは生贄(いけにえ)。

強い上に天照大御神の恩寵(おんちょう)があるかどうか実戦で試すのだ。

だが……

戦柱に選ばれれば、たいてい戻ってこない。」

ヤノハが戦柱の意味が飲み込めたとき、門が開き祈祷部の巫女の一団が戦女の間を通って、舎に入っていこうとしていた。

その先頭には祈祷部見習い巫女のモモソがいた。

ヌカデ「おやおや、見習いのくせに特別扱い。

吾らより前にお食事かい。」

モモソはヤノハを見つけると表情を緩めた。

ヤノハはヌカデに聞いた。

「先頭にいた巫女は?」

ヌカデ「モモソさま。

四歳の時にヒルメさまの継女(アトツギ)になった子。

特別な霊力を持ち、百年に一度の逸材と謳われている。」

ヤノハ「百年に一度……?」

ヌカデ「ま、おまえとモモソさまのように霊力があれば、戦場に行かずともすむのにな。」

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戦女の食事は米、魚、果物などだ。
20人ほどが向かい合って食事をする。

布で仕切りをした部屋の向こう側には祈祷部の女たちが食事をしている。

ヤノハ「布の向こう……祈祷部見習いは、吾らよひ食事が上等なのか?」

女1「豊富な果物に蜜や蘇(※1)がつくそうな。」

女2「ただし穢れゆえ肉も魚も食せぬ。」

女1「吾らは、彼女らを守るため太く短く力強く!」

女2「結果、戦場でただ虫けらのように果てる身。」

女3「反対にあの子たちは、天照さまのため長生きする定め。」

女2「守る側より守られる側になってみたいねえ。」

女たちは談笑するが、ヤノハ笑う事なく聞く。

ヤノハ「戦部の長はどこまで偉くなれる?」

女1「武勲をたててもせいぜい赤。
須恵部(スエベ)や刑部(オサカベ)と同じだ。

祈祷部見習いは最初からその赤衣。」

女3「つまり冠位の五番目がいいところかな。

逆立ちしても儂(わし)らは追いつけぬ。」

「ただし……」

見習い女のひとりがニヤリとした。

女1「吾らは年季が明ければ男と交われるが、あの子らは一生ご法度だ。」

女2「ばれれば死罪だろ。」

女はおどけた顔で首に水平にした手を当て、首を切る動きをしてみせた。

女3「口吸いでも追放のようだ。」

「え〜っ!口吸いもぉ!」

「かわいそ❤︎」

「そうなるとさ。吾らの人生の方が気楽でいいかもねえ。

女たちは大笑いしながら盛り上がる。

ヤノハは水を口に運んだ。

ヤノハ「吾らは祈祷部には上がれぬのか?」

女1「突然、天照さまが降りる以外はね。

天照さまが憑依するとまではいかねども、声が聞こえたりすれば別だ。」

女2「ただし、それを日の巫女の長が認めるのが条件。」

女3「偽りとわかれば死罪だ。」

そこに戦部の師長ククリがやってくる。

「さあ、いつまでのんびりしている。
木刀を持って集合だ!」

ーーーーーーー

戦部の訓練のあとの夕暮れ、ヤノハは屋根のうえで過ごしていた。

ヤノハ「また来たのか。」

モモソがヤノハの横に腰掛ける。

モモソ「まだそなたの名前聞いていなかった」

ヤノハ「私はヤノハ。

よろしく、モモソさま。」

モモソは驚いた顔をする。

モモソ「なぜ突然〝さま〟をつけるのですか。」

ヤノハ「戦部より上の冠位だからだよ。」

モモソ「私はただの見習いですよ。」

ヤノハ「見習いでも祈祷女。

私とは住む世界が違う。」

モモソ「私は住む世界も、位も信じない。

ヤノハ「毎日何を学んでいるのだ?」

モモソ「一年間ずっとお暈さまの動きを観察します。

春から夏……秋から冬と。」

ヤノハ「動きが違うのか?」

モモソ「まるでね。

それから漢字と阿比留文字。」

ヤノハ「漢字は吾らも学ぶが、阿比留とは?」

モモソ「阿比留文字は神の言葉です。

あとは倭国の地理。

倭国の形。

暈の国以外の国々がどこにあり、なんと呼ばれているのか。」

ヤノハ「そういえばおまえ、あの山の上のことを言っていたね。」

モモソ「山社(ヤマト)です。

あそこで祈りをささげる方が倭国の支配者になるの」

ヤノハ「山社の王はそんなに強いのか?」

モモソ「王ではなく、神に選ばれたお方。

今の山社の支配者ひ日見彦(ヒミヒコさま。

鞠智彦(ククチヒコ)という大夫が守っておられる。」

ヤノハ「日見彦というのはこの国のタケル王か!?」

モモソ「男子(おのこ)に天照さまが降りれば日見彦。

女子(おなご)に女子が降りれば日見子。」

ヤノハ「その二人は日の巫女の長……つまりヒルメさまより偉いのか!?」

モモソ「ヒルメさまは祭祀の頂(いただき)にいるけれど、ただの人……

日見彦や日見子は生き神。」

ヤノハ「日見彦さまはタケル王……じゃあ、日見子のほうは今どこにいる?」

モモソ「この百年顕(あらわ)れぬ。」

モモソは浮かない顔をしている。

ヤノハ「しかしあんたら祈祷女が羨ましい。

吾らに守られ、長く生きられるとは。」

モモソ「そんなに死にたくないですか?」

ヤノハ「ああ、私の一番の望みはこの世で天寿を全うすることだ。」

モモソ「私は短くてもいいから人の世を楽しみたい。」

モモソはさらに浮かない顔で屋根から下界を見つめる。

ヤノハはその目線の先をみてハッとする。

柵の外にいる男の兵士ホオリが上半身裸になり汗をぬぐっている姿がそこにあった。

ヤノハ「そういうことか。」

モモソ「な、何が?」

少し照れたように焦るモモソ。

ヤノハ「この種智院は女子ばかり………男は柵の外に十数名いるのみ。

確かにあんたらにとって、男は珍しいな。

あれはホオリって子。

あの子と話してみたいか?」

モモソ「だ、だからなんのことですか。」

モモソは顔を赤らめた。

ヤノハ「おまえはいずれ、日の巫女の長になる身。

それが一度も男と話したことがないなんてダメだよね。」

モモソはしばし黙った。

モモソ「一度……

一度、話すだけでいいの。」

ヤノハ「私に任せろ」

ヤノハは不敵な笑みを浮かべて言った。

ーーーーーーー

空の低いところに大きな満月が見えている。

種智院の柵の外の地面には槍状の木が外部からの侵入を拒むように所狭しと刺さっているのが月明かりに照らされている。

その槍状の木の間に二人の人影が照らし出されている。

腰巻1つのホオリと、その前には一糸纏わぬ姿で立つヤノハの姿だった。

ホオリ「我慢できねぇ。犯らせてくれ!

儂、おまえと会ったときからずっと……」

ヤノハは裸を男に見せても恥ずかしさの微塵も感じさせない。

ヤノハ「好いてくれるのはありがたいけどさ、今日はダメだ。」

と言って、薄黒の貫頭衣を着て帯を締めた。

ヤノハ「ただし、ホオリ、言うことを聞いてくれたら、あんたの望みをかなえてやるよ。」

ホオリ「な、なんでもするよ!!」

ヤノハはニヤリとした。

ヤノハとホオリの始めての契約である。

ーーーーーーー

翌日の夜。

月明かりで明るい。

昨夜とは違い、今夜は柵の中に男女二人の人影があった。

ホオリとモモソだった。

頰を赤らめながら、ホオリと談笑するモモソが見える。

物陰からヤノハが二人をみている。

二人は距離を保って談笑していたが、突然ホオリがモモソを抱き寄せた。

そして、唇を寄せてきたことに驚くモモソは抵抗する。

だが、悪いここと分かっていながらもモモソは自分の心に抗うことはできなかった。

二人は熱い口吸いを交わした。

頰を赤らめて、見つめ合い、それから走り去るモモソ。

ホオリは、物陰から見ているヤノハにウィンクをしてから、柵を飛び越えて帰っていった。

ーーーーーーー

モモソ「ヤノハ、ありがとう」

溢れる笑顔でヤノハに報告するモモソ。

ヤノハ「よかったね。モモソ。」

モモソ「私はどう恩を返せばいいの。」

ヤノハはしばしうつむいて黙った。

モモソ「なあに?私にできることなら。」

ヤノハ「私は戦柱として戦場に送られる。

見習いの中では一番腕が立つからだ。

でも、たいていの戦柱ひ無残にしんでゆく!

もし、私が大切なら、ヒルメさまに私を戦場に送らないよう進言してくれ。」

モモソ「でも、どうやって。」

ヤノハ「ヤノハは天照さまの声が聞こえるようだって言ってくれ。」

驚くモモソ。

モモソ「偽りではなく、本当にきこえの?」

ヤノハ「まさか。」

うそぶくヤノハにさらに驚き、モモソは深く頭を下げた。

モモソ「ごめんなさい、それだけはできない。」

ヤノハ「わかったよ。じゃあ交換条件だ。

おまえ、さっきホオリと口吸いしたよね。

それ、黙っててやるよ。

口吸いは日の巫女の長の継女(あとつぎ)でも追放だろ?」

ヤノハは不敵に笑いモモソの肩に手を置いた。

モモソはヤノハの手を払って言う。

「あなたって人は!」

ヤノハ「この乱世で生き抜くには、誰か助けが必要だと思わないかい?

それともおまえ、千人の巫女たちをたったひとりで束ねてゆく自信があるのかい。」

モモソにはヤノハの言葉は自分の中に無いものだった。

ヤノハはなにかを企んでいるように眼を光らせて続けた。

ヤノハ「私は役に立つ。

私を味方にしろ!

二人で力を合わせて、この戦乱の世を乗り切ろうじゃないか!」

モモソの心はヤノハの言葉に揺れた。

そして、心を決めた眼をした。

モモソ「わかったわ」

ここまではまさに、

私の思う通りに事が運んでいた。

(※1)蘇とは…古代日本で作られていた乳製品の1つ。

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝【口伝2ヤノハとモモソ】感想

卑弥呼ヒミコ真説邪馬台国伝第2話【ヤノハとモモソ】をお届けしました。

洞窟の女がヤノハだったという出だしにまず驚きました。

そして、思わぬ展開にドキッとしました。
このヤノハという女の笑顔がどういうものなのか?

何を考えているのか?

切れ者だけど、信じていいのか、わからない底知れないものがありますね。

日見彦と日見子についても少しみえてきましたね。

でも、なぜヤノハが洞窟にいるのか?謎は深まります。

次回は第3話へ続きます。

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こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。