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卑弥呼真説邪馬台国伝【第3話】漫画のネタバレと解説と感想

こんにちは。ギボンヌです。

今回は前回の卑弥呼 真説邪馬台国伝の第2話【ヤノハとモモソ】の続き、第3話【口伝3】「縁(えにし)」のネタバレと解説、感想をお届けします。

登場人物が不要な方は飛ばしてくださいね。

卑弥呼真説邪馬台国伝これまでのあらすじ

時は弥生時代、倭国大乱の世が百年続いていた頃、日向(ヒムカ)は賊に襲撃され邑(ムラ)は皆殺しにされ壊滅状態となった。

日向の日の守の養女であるヤノハは、暈(クマ)の国の日の巫女の長であるヒルメに暈へ連れ帰られ、戦女として訓練をうけることとなる。

そこでヤノハは祈祷女見習いのモモソと出会う。

祈祷女は生涯男子との交わりはご法度とされている。

モモソの「短くてもいいから人の世を楽しみたい」という望みを聞いたヤノハが叶えるために動くのだが……。

卑弥呼真説邪馬台国伝の登場人物

ヤノハ 日向(ヒムカ)の生き残り。日の守りの養女。

ヒルメ 暈(クマ)の日の巫女 祈祷部(イノリベ)の長

ウサメ 暈の日の巫女 祈祷部の副長

トヨタマ 暈の日の巫女

イクメ 暈の種智院で見習いの女に講義している

ホオリ 暈の兵士

ククリ 暈の戦部の師長

ヌカデ 戦部でヤノハと相撲の試合で殺されかけた見習いの女

暈のタケル王 天照が降りる「日見彦」と信じられている。救世主と信じられている存在。

卑弥呼真説邪馬台国伝【第3話】のネタバレ

【口伝3 縁(えにし)】

倭国・弥生時代

この百年、
倭国にあった百余国の国々は
互いに殺し合っていた。

倭国大乱と言われる時代だ。

洞窟の暗闇に佇む鋭い眼をした女が語る。

私(わ)は日の守の養女ヤノハ。

不思議な縁から暈の国の日の巫女集団に拾われ、戦士(もののふ)として訓練を受けることとなった。

種智院ーー

楼観という3階建ての建物ほどの高さはあろう櫓の外にモモソがのぞいている。

そこに神々しい光が降り注いでおり櫓を見上げると眩しいほどだ。

モモソの様子はいつものそれとは違い、何かに取り憑かれているかのように、眼を見開いている。

女達は皆それを見上げる。

ヤノハ「あれは?」

女2「昨日からモモソさまは、祈祷部の許しを得て東の楼観に籠られた。

女1「そしてついに、天照大御神がふったようだ!」

ヤノハ「降った?」

女1「何かおっしゃるぞ。」

女2「ご神託だ!」

女「なんだ!?モモソさまは何をおっしゃっている!?」

女「しっ!」

モモソ「故(かれ)是(ここ)に須佐之男命(スサノオノミコト)ひけらく「然らば天照大御神に請(まを)して罷(まか)らむ」といひて、乃(すなは)ち天(あめ)に参上(まゐのぼ)る時、山川悉(ことごと)に動(とよ)み国土(くにつち)皆震(ゆ)りき。

爾(ここ)に天照大御神聞き驚きて詔(のり)たまひらけく……」(※1)

女「古(いにしえ)の言の葉……須佐之男命と天照さまとの戦いについて語っておられる。」

女「どういうことですか。」

女「いずれ、倭国最後の戦いが始まるということです。」

次の瞬間、取り憑かれたものが抜けたように、表情は元のモモソに戻り、オロオロとし始めるモモソ。

モモソ「私はいったい何を……」

その様子をみたヤノハがいう。

「おっかあとあんまり変わんねえな。」

ーーーーーーー

祈祷部の長ヒルメと副長ウサメが祭壇のある社の中で二人膝を付き合わせている。

昼日中だが、社のなかは薄暗い。

ヒルメ「鬼国(キコク)が金砂(カナスナ)の国に侵略し、越(コシ)の国は日ノ下(ヒノモト)の国に援軍を送っています。

戦争は鎮まるどころか、
ますます激しさを増している。」

ウサメ「鹿屋(カノヤ)におられるタケル王はまだ神託を受けに山社(ヤマト)に入られないのでしょうか?」

ヒルメ「王はその思いが強いようだが、鞠智彦(ククチヒコ)さまが首を縦に振らぬ。」

ウサメ「なぜですか?」

ヒルメ「タケル王が真の日見彦ではないことを鞠智彦さまはぞんじておる。」

驚きを隠せないウサメ。

ウサメ「で、では倭国の行く末は!?」

ヒルメ「新たなる日見彦……あるいは日見子の出現を待つ以外ない。」

ウサメ「そのために、今度の祈祷部の見習いたちにトンカラリンの儀式を行うと!?」

ヒルメ「必要なのは祈祷女ではない。
この百年顕れぬ日見子だ。」

ヒルメは表情一つ変えずに答える。

ウサメ「ヒルメさまも私も……
生きている誰も体験したことのない儀式ですぞ!」

黙ってコクリと頷くヒルメ。

ウサメ「見習い全員が死ぬ場合もございます。」

ヒルメ「覚悟の上。」

ウサメ「今朝、楼観に籠られたモモソさまに神が降りました。
モモソは日見子であることはもはや疑いの余地がないのでは?」

ヒルメ「だから?」

ウサメ「モモソさまこそ日見子と宣言すれば、トンカラリンの試練など不要では?」

ヒルメ「モモソがトンカラリンを生き延びれば、倭国中の国々の誰も文句言えまい。」

ウサメ「しかし万が一の場合………」

ヒルメ「死ねば日見子ではない。
また新たに探すのみ。」

ヒルメは表情を変えない。
冷酷にも見える。

ウサメはしばし言葉を失った。

ヒルメ「ほかに何か聞きたいことが?」

ウサメ「日見子さまが顕われた場合、タケル王と鞠智彦さまはどうされるのでしょうか。」

ヒルメ「タケル王の日見彦としての尊厳が失われるのだ。
日見子を殺そうとするだろう。」

ウサメ「柵の外の男兵は鞠智彦さまの手勢。つまり吾らを守る彼らが一転攻めてくるということですか?」

ヒルメ「おそらくな。」

ウサメ「山社にいる戦部の精鋭を呼び戻しましょうか。」

ヒルメ「案ずるな。味方は隠れたところに大勢いる。」

ーーーーーーー

ヤノハとモモソは種智院の中の人気のない場所にいた。

モモソ「ごめんなさい、ヤノハ。
あなたのこと、まだヒルメさまには話していません。

継母とはいえ、二人きりになる機会がなくて。

副長のウサメさまと篭ってひそひそ話をしているし。」

ヤノハ「わかったよ、モモソ……お前のことは信じているから。

でも、約束は約束だぞ。」

モモソ「ありがとう。

必ずあなたのこと、祈祷部見習いに加えるように頼む。

それはそうとお願いがあるの。」

ヤノハ「おまえは戦友。
戦友の頼みはなんでも聞くぞ。」

頰を赤らめながらヤノハに耳打ちするモモソ。

人は欲望をなかなか断ち切れない。
そして一番断ち切り難いのは男と女の縁だ。

ーーーーーーー

ヤノハは戦部の師長であるククリに部屋に呼ばれた。

ククリ「そこでおまえに命(メイ)が下った。」

ヤノハ「命?」

ククリ「暈(クマ)の国と那の国はかねてより和せず、敵対関係ということは知っておろう。

形勢は大川を隔てて圧倒的に暈国が不利。

那のトメという名に聞き覚えは?」

ヤノハ「トメ?いいえ。」

ククリ「那国の将軍だ。
元平民だが、示斎(ジサイ)に志願し、何度も韓国(カラコク)への航海を成功させてのし上がった。

その者が作戦の指揮を執るかぎり、暈の敗北は明らか。」

「!」

ククリ「そう……
おまえはその将軍に近づくのだ。
女子の武器をすべて使え。」

ヤノハ「近づいて殺すのですか。」

ヤノハ「私は戦柱ですか?」

ククリ「使命を果たし生きて帰れば儂(ワシ)と同じ白の衣を授けよう。

旅立て!
数日後だ。」

ヤノハは黙って頭を下げ礼をした。

ーーーーーーー

空には星々が煌めいていた。

種智院の柵の外に男女二人の影が星あかりに照らされていた。

ホオリ「なぁ、今日こそはいいだろ。」

ホオリは我慢しきれないという顔をしていった。

ヤノハは全裸で立っていた。

長く伸びた黒髪を結わえた紐以外なにも纏っていない。

その髪をほどいてから言った。

ヤノハ「あれを出せ。」

ヤノハはホオリの前にひざまづいた。

ホオリはヤノハの言葉に従う。

「うっ!」

「うっ!

もっと強く!」

ホオリの声が漏れた。

ヤノハ「ここじゃだめだ。」

ヤノハは突然貫頭衣を纏った。

「え?」

拍子抜けするホオリ。

ヤノハ「千数えたら柵を越えて邑(ムラ)に忍び込め。

楼観で待っている。

ただし!

楼観では、私のことをモモソと呼べ。」

ヤノハは女子の顔ではなかった。

男女の惚れた腫れたなど無縁という顔をして、不敵な笑みを浮かべている。

ホオリ「モモソ?」

ヤノハ「呼合(よばい)だぞ。
真の名を名乗り合ってどうする?」

「あ、ああ、わかった。」

ホオリは素直だった。

ヤノハ「言うことを聞けば私の身体、好きにしていいぞ。」

「わかった!」

ホオリは美しい女子(おなご)というご褒美を待つ犬のように忠実だった。

ーーーーーーー

月は三日月に欠けていた。

楼観に忍び込む男のかげ。

ヤノハはそれを屋根の上に潜んでみている。

楼観には暗がりの中、一人座るモモソがいた。

ホオリ「モモソ。」

モモソ「来てくれたの。」

ホオリ「モモソ。」

ホオリはいきなりモモソにとびかかった。

モモソ「え?だ、だめ!お話をするだけ!」

必死で抵抗するモモソだが、男の力には為すすべもない。

ホオリ「何を言うんだ。さっき抱かしてくれるって言ったじゃないか。」

ホオリは腰巻をなげすて、モモソを押さえ込んだ。

モモソ「いや、だめっ!」

必死で抵抗する。

ビリィーーーーッ。
モモソの衣が破かれた。

ホオリ「今さらなんだよ。」

モモソ「だっ、誰か!!」

ホオリ「犯らしてくれるって言ったろ。

な、ヤノハ……

え……!?」

動きがとまり、力が抜けるホオリ。

眼には光を失って、モモソに力なく寄りかかった。

モモソはなにが起こっているかわからなかった。

手が生暖かいもので濡れたのがわかった。

血だった。

「危ないところだったな。」

ヤノハが立っていた。

ホオリから身体を離し、落ち着いて振り返ると、そこには背中を刀で刺されて血を流す全裸のホオリの姿があった。

その眼はすでに生気を失っていた。

ヤノハが刺したことを一瞬で理解し、モモソは恐怖に叫んだ。

「きゃあああああ」

ヤノハ「落ち着け!」

ヤノハは錯乱するモモソの口を塞いだ。

モモソ「この人、突然私に乱暴を!」

ヤノハ「これだから男って奴は!」

ヤノハはホオリの背中から刀を抜き、生血をふるい落とした。

その血はホオリの頬に滴った。

それから布で刀の血を丹念に拭き取って鞘にしまった。

ヤノハ「死に顔は善人面。獣のくせに!」

モモソ「だけど殺すなんて。」

ヤノハ「日の巫女の長後継者の操を奪おうとしたのだぞ。

死んで当然だ!」

ヤノハはこの世の者とは思えないような恐ろしい顔をして言い放った。

私の謀(はかりごと)は、また一段階目的に近づいた。

それが死への第一歩だったことを当時はまだしらない。

(※1)古事記より。
スサノオは、アマテラスに会うため天に参上することにしました。

すると、山や川がどよめき、国土が震えました。

アマテラスはその音を聞いて驚き、スサノオが自分の国を奪いにやってきたに違いない、と思ったのでした。

卑弥呼真説邪馬台国伝【第3話】の感想

まさかの展開に驚きました。

主役であるヤノハには、どこかで「いいヤツなんだろう」と思いたいところがあったのですが…。

不敵な笑みはやはり企みがあったのですねぇ。

日見彦と日見子の謎も少し見えてきましたね。

天照大御神が降りる者が国をおさめる、いわば救世主ということになるんでしょう。

だけど、タケル王はその力を持たない。

いやいや、それだけでなく、祈祷部の長ヒルメもそんな力を持っていないという。

現代のスピリチュアルと同じく、昔も嘘か真かというのは怪しげなもんですね。

でも、モモソはどうやら本当になんらかの力があるようです。

モモソが日見子なら、タケル王は日見彦ではないということになってしまいます。

タケル王にとっては自分の地位を脅かす事態です。

日見子を揺るぎないものにしようとヒルメも謀っています。

戦乱の世だけあり、あちらもこちらも生き残るために企んでいるわけですね。

この世に、信じられる者はいるのでしょうか?

さて、ヤノハは企み通りに事を運んで、ついにはホオリを殺してしまいました。

モモソに恩を売るつもりなのでしょうか。

一体どうするつもりなのでしょう。

次回に続きます。

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こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。