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卑弥呼真説邪馬台国伝【第4話】漫画のネタバレと解説と感想

こんにちは。ギボンヌです。

前回の卑弥呼 真説邪馬台国伝 第3話 【口伝3 縁(えにし)】の続きで、今回は第4話【口伝4盟神深湯】ネタバレと解説と感想をお届けします。

卑弥呼 真説邪馬台国伝 これまでのあらすじ

時は弥生時代、倭国大乱の世が百年続いていた頃、日向(ヒムカ)は賊に襲撃され邑(ムラ)は皆殺しにされ壊滅状態となった。

日向の日の守の養女であるヤノハは、暈(クマ)の国の日の巫女の長であるヒルメに暈へ連れ帰られ、戦女として訓練をうけることとなる。

そこでヤノハは祈祷女見習いのモモソと出会う。

祈祷女は生涯男子との交わりはご法度とされている。

モモソの「短くてもいいから人の世を楽しみたい」という望みを聞いたヤノハが叶えるため、男との密会を仕組むがそこにはヤノハの企みが仕込まれていた。

男に犯されそうになったモモソをヤノハが男を殺すことで助けたという形を作ったのだのだが……。

卑弥呼真説邪馬台国伝の登場人物

ヤノハ 日向(ヒムカ)の生き残り。日の守りの養女。

ヒルメ 暈(クマ)の日の巫女 祈祷部(イノリベ)の長

ウサメ 暈の日の巫女 祈祷部の副長

トヨタマ 暈の日の巫女

イクメ 暈の種智院で見習いの女に講義している

ホオリ 暈の兵士

ククリ 暈の戦部の師長

ヌカデ 戦部でヤノハと相撲の試合で殺されかけた見習いの女

暈のタケル王 天照が降りる「日見彦」と信じられている。救世主と信じられている存在。

卑弥呼 真説邪馬台国伝【第4話】ネタバレと解説

【口伝4 盟神探湯(クガタチ)】

盗窃せず、諍訟(そうしょう)なし。
其の法を犯す時、軽き者は妻子を没し、重き者は其の門戸及び宗族を滅す。
(魏志倭人伝より)

ヤノハはククリとともにヒルメの前で取り調べをうけていた。

ヒルメ「まず、ヤノハ。
その時、おまえが何をしていたか答えよ。」

ヤノハ「広場でひとり、剣の練習をしていました。

明後日、戦場に赴くゆえ……ククリさまにお願いして特別に!」

横で頷くククリ。

ウサメ「そして声を聞いたのか?」

ヤノハ「はい、東の楼観から悲鳴を。」

ヒルメ「それで?」

ヤノハ「楼観に走りました。」

ウサメ「なぜ、人を呼ばなんだ。」

ヤノハ「空耳かもしれないと思ったからです。」

ヒルメ「楼観を上ってどうした?」

囲む女たちはヤノハの言葉を待った。

ヤノハ「目を疑いました。
モモソさまが……」

ヤノハはうつむいた。

ヒルメ「かまわぬ。言いなさい。」

ヤノハは顔をあげた。

「男子(おのこ)に組み敷かれておりました。」

ヒルメ「その時、モモソは?」

ヤノハ「必死で抵抗しておられました。」

ウサメ「それめおまえは?」

ヤノハ「男を背中から刺しました」

周りの女たちはどよめきたった。

ヒルメ「モモソは無事だったのだな。
つまり……」

ヤノハ「ご安心ください。
必死で操を守っておられました。」

女たちは胸をなでおろした。

ーーーーーーー

戦女たちは楼観に目をやりながら話している。

「モモソさまはこの二日、ずっと臥せっておられるとか。

ヒルメさまの跡を継ぎ、暈の日の巫女の長になられるはずが……とんだ災難。」

「災難どころか、ここを追われるという噂もあるぞ。かっこ

「追われる?」

「不逞の輩に操を奪われたなら、二度と天照さまは降らない。」

その瞬間、女は頭突きを受けて倒れる。

「ヤ、ヤノハ!なにをいきなり…」

ヤノハ「モモソの操は私が守った!根も葉もない噂は許さねえ!」

ヤノハは頭突きだけでは収まらず、女をボコボコに殴りつける。

「誰か、誰かあ!」

「やめろ!死んでしまう!」

暴れだすと止まらないヤノハを女たち総出で止めにかからねばならなかった。

ーーーーーーー

ヤノハは営倉穴(えいそうけつ)(※1)に閉じ込められてしまった。

ヤノハが穴の中に座っていると、格子の上から声がした。

「ヤノハ!」

モモソの顔が見えた。

ヤノハ「モモソか。外に出られるようになったのか……よかった。」

モモソ「私のために営倉穴に閉じ込められてしまったと聞きました。

本当にごめんなさい。」

ヤノハ「気にするな。
それよりおまえの身体と心だ。
くだらない噂話に負けるなよ!」

モモソ「私の味方はヤノハだけです!」

ヤノハ「明後日、ここを離れるのでしばらく会えない。
だが、必ず戻る。」

モモソ「あなたがいない種智院では私は生きていけない。」

ヤノハ「おまえに天照さまがいるだろ。」

モモソ「継母に頼んでみる。」

ヤノハ「!」

モモソ「あなたには天照さまの声が聞こえるって。

ヒルメさまにそう報告し、あなたを戦場には行かせない。」

そう言ってモモソが走り去る音がした。

ヤノハ「モモソ、無理するな!」

言葉とは裏腹に、ニヤリと不敵な笑みを浮かべるヤノハがいた。

ーーーーーーー

祭壇がある社ではヒルメが玉串を振るい、魂を込めた祈りを捧げていた。

その後ろに頭をさげて佇むモモソ。

ヒルメ「モモソ、何か用か?」

モモソ「お継母さまにお願いがございます。」

ヒルメ「言いなさい。」

モモソ「私を助けてくれたヤノハのことです。」

ヒルメ「安心おし。明日には釈放だ。」

モモソ「戦場に行かされるという話は?」

ヒルメ「ヤノハは優秀な戦女。
一人前になってもらうため、早々に実戦を経験させる。

恩人ゆえ心配か。」

ヒルメは穏やかな表情でモモソに聞く。

モモソは頭を下げたままで口を開いた。

モモソ「ヤノハには天照さまの声が聞こえます!」

ヒルメ「なんと!」

モモソは顔を上げた。

モモソ「ヤノハは祈祷女になるべき逸材。」

モモソは驚くヒルメの顔を見て、再び頭をさげた。

ヒルメ「わかった。検討しよう。」

モモソ「ありがとうございます。」

モモソはさらに深く頭をさげた。

ヒルメ「時にモモソ、おまえに提案がある。」

モモソ「なんなりと。」

ヒルメ「おまえの操について、様々な悪意ある噂が流れておることは知っておろう。

心を鬼にして申す。

ここはどうだ。

盟神探湯(クガタチ)に挑んでみぬか。」

モモソ「く……盟神探湯。」

ーーーーーーー

種智院の中はモモソの噂話で持ちきりである。

「盟神探湯!?」

「ヒルメさまが提案され、それをモモソさまが了承されたそうな。」

ヤノハ「盟神探湯とはなんだ?」

ヌカデ「知らぬのか。
嘘か真か、神さまの前で試す神前裁判だよ。
つまりモモソさまが、操を本当に守られたかどうかの裁きだ。」

ヤノハ「どうやるんだ?」

ヌカデ「二つの方法がある。
ひとつは深湯瓮(クカベ)という釜で煮えたぎる湯を沸かし、その中に両手を入れる。
やけどせねば真。
大火傷を負えば嘘だ。」

ヤノハ「もうひとつは?」

ヌカデ「もっと危険だ。
毒蛇を入れた壺に手を入れ、咬まれれば嘘。
咬まれねば真。」

ヤノハ「モモソはどちらで裁かれるのだ。」

ヌカデ「通常は二つ用意され、試練を受ける者が好きなほうを選ぶそうだ。」

女2「どちらにせよ無事でいられた者はいないという話だ。」

ヤノハは黙っている。

ヌカデ「だがもし真と出れば、モモソさまは百年ぶりに顕れた日見子と認められよう。」

女2「天照さまが憑依した人は半神……」

女1「この世を平和にし、衆生を幸せに導くと言われている。」

ヤノハ「モモソが日見子か。
こりゃあいい話だ!」

ヤノハは笑った。

ーーーーーーー

細い三日月が見える夜。

ヤノハは竹の水筒をせおって種智院の外れの窯にきていた。

布で鼻から下を覆って、窯で竹を燃やし、ゴホゴホと咳き込みながら、その水蒸気を水筒におさめている。

ーーーーーーー

モモソが盟神探湯(クガタチ)に臨む朝は晴れて光がさしていた。

モモソは祭壇にむかっている。

そこに現れたのはヤノハだった。

ヤノハ「盟神探湯に臨むと聞いた。」

モモソ「すべては天照さまのご意志次第。」

ヤノハ「おまえには何がなんでも生きていてもらわねば困る。」

モモソ「ありがとう。
あなたのこと、継母のヒルメさまに報告しました。
私が死んでもあなたは祈祷女に迎え入れられます。」

モモソは落ち着いていて、死を恐れる気配もなく、天照に身を委ねている様子だ。

ヤノハ「今日は毒蛇の壺を選べ。」

モモソ「毒蛇……?」

ヤノハ「言ったろ。
私はおまえと、この乱世をいっしょに生き残りたいって。」

ーーーーーーー

盟神探湯(クガタチ)の時が来た。

グラグラと煮えたつ釜と、石で蓋をした壺が並んでいる。

天照に身を委ねているとはいえど、これを前にモモソは少し顔色を変える。

モモソの後ろにはヒルメや祈祷部の長たちがならび、その後ろにはずらりと見習いも含めた女たちが並んでいる。

ヒルメ「盟神探湯の儀式を始める。
釜と壺、どちらを選ぶ?」

モモソ「壺を!」

一同はざわついた。

「毒蛇を選ぶとは。」

「なんと豪気な。」

「さすがヒルメさまの継女。」

ヒルメ「はじめよ!」

モモソは毒蛇の壺の蓋をあけ、壺いっぱいに入れられた毒蛇をみて、一瞬怯んだ。

しかし、その壺に静かに手をいれた。

ヒルメもウサメも儀式を行いながらも心配で落ち着かない顔をしている。

しばらく時を刻んだ。

一同は静かに見守っている。

ウサメ「ヒルメさま、もうそろそろ……」

ヒルメ「腕を壺よりだせ!」

モモソは壺から手をだして、高く上げて一同に見せた。

ヒルメ「咬まれておらぬのか!?」

モモソ「はい、ヒルメさま。」

ヒルメ「真とでたぞ!」

一同どよめきたった。

その場にいた者皆が驚き喜んだ。

「モモソさま、あなたは!

日見子さま!

百年ぶりに日見子さまがあらわれたあぞ!」

ーーーーーーー

盟神探湯の儀式の朝。

ヤノハはモモソにあるものを手渡していた。

ヤノハ「この中の液を両腕に塗れ。
炭の煙から作った液……木酢液だ。
蛇は嗅覚の生き物……このにおいを嫌う。」

モモソ「ヤノハ……あなた。」

ヤノハ「おまえは生きて日見子になれ!」

ーーーーーーー

盟神探湯の儀式の場は百年ぶりの日見子が顕れたと一同お祝いの様相で賑わっていた。

誇らしげにそこに佇むモモソは心の中でつぶやいた。

「ありがとう、ヤノハ。」

それをニヤリと笑いながら見守るヤノハ。

そこまでは、私の計画に寸分の狂いもなかった。

(※1)営倉穴(えいそうけつ)…露天掘りの深さ2.5m、幅2mくらいの屋根のない穴で、格子で塞がれている。

卑弥呼真説邪馬台国伝【第4話】漫画の感想

ヤノハという女は本当に底知れない恐ろしさをもっていますね。

モモソに唯一の味方であると信じ込ませる健気さと、悪魔のような不敵な笑みは対称的にみえます。

モモソが信じてしまう気持ちもわかります。

しかし、怖いですよ、ヤノハは何を企んでいるのか?

モモソを日見子に押し上げて、自分をナンバー2に押し上げる算段か?

次回に続きます。

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こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。