環境

ツマジロクサヨトウの写真と特徴は?農薬殺虫剤なしの駆除方法を調査

こんにちは。ギボンヌです。

農林水産省が2019年7月3日に鹿児島県南九州市の農場で、イネやトウモロコシに寄生する害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」の幼虫が日本で初めて見つかったことを発表しましたね。

「ツマジロクサヨトウ〔学名:Spodoptera frugiperda〕」は
国連食糧農業機関(FAO)がアフリカ南部の数カ国で幼虫による食害で地域の食糧生産地全域に被害が及ぶ恐れがあると警告したほどの害虫の蛾なのです。

世界で甚大な被害を及ぼすこのツマジロクサヨトウが、ついに日本にも飛んできてしまったようです。

この害虫を駆除する抜本的な方法は発見されおらず、一度害虫の侵入を許せばただ手をこまねいているしかないのが実情だと言われている虫です。

実感ないですか?

台湾の行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は台湾で見つかったツマジロクサヨトウの幼虫の発見が3件になったことから「ツマジロクサヨトウを発見した場合は直ちに通報するように」呼びかけているのです。

それには報奨金がでるというのです。

伝わりますか?
ガを見つけたら通報したら報奨金ですよ。

どんなガなの?

そんなすごいの?

ということで、日本では報奨金が出ていませんが、みんながこのガについて知っておいたほうが良さそうです。

家庭菜園でもやられる可能性が高まってきていますから、農家さんだけの問題では無いようです。

今回はツマジロクサヨトウのビジュアル写真、特徴、通報するとどうなるのか?駆除方法について調査しました。

ツマジロクサヨトウの写真と特徴

ツマジロクサヨトウの幼虫の頭には「Y」の文字


写真出典:農林水産省

【ツマジロクサヨトウの特徴】

《卵》 球形、直径0.75mm

《幼虫》体長30-40mm

《蛹》オス13-15mm、メス16-17mm

《成虫》オス体長16mm、メス体長17mm

オスの羽根は、暗灰色と褐色で、羽根の端と中央に三角形 の白斑を有し、メスでは前翅に明瞭な紋様を欠く。

色 は灰褐色〜褐色まで様々である。

ツマジロクサヨトウの成虫は黄色味を帯びた緑色から淡い黄褐色、さらにはほとんど黒に近い色まで多種多様。

幼虫の頭の前面には転倒した「Y」の字がある。

体長方向に白みがかった縞が見られることが多い。

ツマジロクサヨトウは繁殖力が強く早い

成虫は羽化後4~5日で産卵する。

メスは一回に100~200個の卵を産む。(最大1000個)

卵の塊は細い毛で覆われている。
卵は2-10日(通常3-5日)で孵化する。

幼虫は脱皮を6回繰り返し、5~6回目の脱皮を行う時期には農作物を食い荒らす。(幼虫期14-21日)

1通年幼虫が存在するが、特に晩夏から秋にかけて幼虫が最大数となる。

幼虫の発育適温は28°Cというので、これからの時期は彼らの繁殖には適温ということになる。

成熟した幼虫は地中に入って蛹(さなぎ)となり(蛹期9-13日)、その後羽化して成虫となる(成虫寿命12-14日)。

成熟した幼虫は地中に入って蛹(さなぎ)となり(蛹期9-13日)、その後羽化して成虫となる(成虫寿命12-14日)。

ツマジロクサヨトウは1カ月で1世代を産むことが可能であり、1年間では十数世代が出現する。

繁殖が速く、拡大の距離が広く、根絶が難しく、幼虫が農業に及ぼす損失は甚大といわれている。

ツマジロクサヨトウは水不足が好き

ツマジロクサヨトウは水不足の状態(干ばつの時期)が成長に好ましい。

ツマジロクサヨトウ寒さに弱い

ツマジロクサヨトウは寒い時期には繁殖が弱まる

ツマジロクサヨトウは大食い

アメリカ大陸の熱帯と亜熱帯地域を原産とする雑食性のツマジロクサヨトウは大食いと知られる。

その対象はトウモロコシ、水稲、サトウキビ、煙草などのイネ科の植物。

1日でトウモロコシの作付け地を食い尽くしたら隊列を組んで別の土地の作物へ移動し食い荒らす。

ツマジロクサヨトウは何を食べる?

ツマジロクサヨトウが好む農産物はトウモロコシ科やイネ科の植物と言われる。

ツマジロクサヨトウが好む農産物

トウモロコシ、サトウキビ、イネ
オオムギ、コムギ、ソルガム
ジャガイモ、タバコ、トマト
ナス、ピーマン、アルファルファ
インゲンマメ、ダイズ、ラッカセイ
カブ、キャベツ、ビート
ホウレンソウ、ワタ、カボチャ
キュウリ、キク、レタス
アスパラガス、 ショウガ
カーネーション、バナナ
サツマイモ、タマネギ

など80 種以上

ツマジロクサヨトウは移動能力が高い

ツマジロクサヨトウは移動能力がとても高い。

専門家によると1昼夜に200km飛ぶことができ、メスは産卵前に500kmを飛行して移動することもできるという。

200kmというと、東京からなら、静岡こえて浜松の手前まで。

500kmというと、東京からなら京都の手前くらいまで飛んでしまうということになる。

ツマジロクサヨトウの由来と分布

ツマジロクサヨトウの起源はアフリカとされている。

そのアフリカでは農作物の70%がツマジロクサヨトウによる食害で壊滅的な被害を受けた地域があった。

人々を深刻な飢餓状況に陥れ、60億ドルもの損失だった。

ツマジロクサヨトウの世界の分布

北米~南米
カリブ海地域
アフリカ(サハラ以南)
マダガスカル
レユニオン
イエメン
インド
スリランカ
タイ
バングラデシュ
ベトナム
ミャンマー
中国南部(雲南 省、広西省、貴州省、広東省、湖南省、海南省、福建省、 浙江省、湖北省、四川省、江西省、重慶市、河南省)
台湾
そして日本

アフリカ南部ではトウモロコシに壊滅的な被害が発生し、ザンビアは空軍まで出動させて殺虫剤を散布したという。

ツマジロクサヨトウを見つけて通報するとどうなるのか?

ここまではツマジロクサヨトウの特徴や分布についてまとめてきました。

ここからは「見つけたらどうするか?」について考えていきたいと思います。

台湾では通報すると報奨金が出るというほどなのですが、日本では通報するとどうなるのでしょう?

報告をうけた県では国と連携し植物免疫法に基づいて農薬散布による駆除を進めるということなのですよね。

「植物免疫法に基づいて」っていうのは結構ブラックボックスな説明ですね。

具体的にどうなのか素人にはわからないようになっています。

ツマジロクサヨトウを見つけた時の通報先一覧

ツマジロクサヨトウを見つけたときの通報先を記しておきます。

植物防疫所の住所及び連絡先

《関東》
横浜植物防疫所 業務部 国内検疫担当 横浜市中区北仲通5-57 横浜第2合同庁舎内
045-211-7155

《東海》
名古屋植物防疫所 輸出及び国内検疫担当
名古屋市港区入船2-3-12 名古屋港湾合同庁舎内
052-651-0114

《近畿》
神戸植物防疫所 業務部 国内検疫担当 神戸市中央区波止場町1-1 神戸第2地方合同庁舎内
078-389-5320

《九州》
門司植物防疫所 輸出及び国内検疫担当 住所:北九州市門司区西海岸1-3-10
門司港湾合同庁舎内
093-321-2809

《沖縄》
那覇植物防疫事務所 輸出及び国内検疫担当
那覇市港町2-11-1 那覇港湾合同庁舎内 098-868-1679

ここに通報先を書いたのは、これは個人の考えで押し切られれるものではないと感じたので一応記しました。

でも、冷静になって考えなくてはいけないのは農薬や殺虫剤を撒いて対応してきたのに、世界的に抜本的な解決策を見いだせていないということなんですよね。

もし自宅の家庭菜園にツマジロクサヨトウが見つかったとして、ここに通報すれば問答無用に農薬を撒かれてしまうということかもしれません。

農薬を使わないために家庭菜園をしている場合、これをどう考えるか?

なにが正しいかは分かりません。

でも、安易な考えではいけないのではないかとは思っています。

まだ見つかっていない地域でも考えておくほうが良さそうです。

ツマジロクサヨトウの農薬殺虫剤なしの駆除方法

ツマジロクサヨトウの駆除方法は、一般的な方法はやはり農薬散布ということになるようです。

農薬を散布しないために家庭菜園をしているものとしては、通報して農薬を撒かれてしまうと困りますね。

無農薬で栽培するものができることといえば、ツマジロクサヨトウをみつけたら取り除くことでしょうか。

成虫や幼虫だけでなく、卵をみつけたら取り除く必要があります。

ツマジロクサヨトウを農薬を使わずに駆除する方法

ツマジロクサヨトウを農薬を使わずに駆除する方法を探していて、ヒントになる記事をみつけました。

Masashi Hasegawaさんの
「害虫からケニア農業を救え!ファームトラック社が仕掛ける『罠』とは」です。

先程も書いた通り、アフリカではすでにツマジロクサヨトウの農作物への被害は甚大なものとなっています。

そのアフリカのケニアでツマジロクサヨトウを農薬殺虫剤なしでの駆除方法を生み出したファームトラック社(Farmtrack Consulting Ltd.)という会社が注目されています。

ファームトラック社は害虫を捕えたり駆除するために捕虫剤や粘着剤という『罠』を提供しています。

日本で昔つかっていたハエ取り紙やゴキブリホイホイのように誘き寄せて捕獲するものですね。

だから農産物に直接殺虫剤をまくことはしないのですね。

ファームトラック社は「バクトロルアー」という捕虫剤でケニアで初めて果実類の害虫であるキイロショウジョウバエを駆除することに成功した会社です。

これはオスだけを対象とし、オスとメスの個体数のバランスを崩すことで個体数の減らすのだそうです。

ファームトラック社のサミュエル・ムチェミ代表はこう言っています。

「弊社の製品は殺虫剤を使用して環境に悪影響を与えるものではありません。殺虫剤を使用しまうと作物に残留してしまいますし、消費者の健康も心配です。環境だけでなくお客様にも優しい製品を提供しています」

私たちの農産物もこうありたい。
なんとか対応を考えたいものです。

日本にも農薬を使わない駆除方法を提供している会社はあるのか?

ツマジロクサヨトウと同じガの一種「メイガ」をフェロモンでおびき寄せる捕獲器を取り扱っている会社は多数あります。

環境機器株式会社
フェロモントラップ

ルアートラップ(ハンスモンヨトウ、オオタバコガ用)

フェロディン SL(ハンスモンヨトウ用)

「農業メディア Grow Ricci」ではフェロモントラップの設置法と注意点などを細かく説明されています。

フェロモントラップの設置方法と注意点

農研機構の研究によると、これらのトラップのフェロモンの種類によって違う種類のガなどが捕獲されているようです。

《オオタバコガ用フェロモン剤》

オオタバコガ、フタオビキヨトウ、ウラギンキヨトウ、カバフクロテンキヨトウ、イチゴキリガ、アヤモクメキリガ、キバラモクメキリガ、ウスキトガリキリガ、チャイロ キリガ、シロスジエグリノメイガ、シバツトガ、ヒロバコナガ、セジロトガリホソガ

《タバコガ用フェロモン剤》
タバコガ、マイマイガ

《タマナギンウワバ用フェロモン剤 》
タマナギンウワバ、ギンモンシロウワバ、ミヤマオビキリガ、フタグロマダラメイガ、アカマダラメイガ

《ハスモンヨトウ用フェロモン剤 》
ハスモンヨトウ、オオトビモンシャチホコ、マツツマアカシンムシ、アカバキリガ

《ヨトウガ用フェロモン剤》
ヨトウガ、ノコメトガリキリガ、ヨモギキリガ、イモギバガ、ゴマダラキリガ

《コナガ用フェロモン剤》
コナガ、ネギコガ、チビツトガ、ヘリグロホソハマキモドキ、ミツボシキリガ、クロミミキリガ、ホソバキリガ

農研機構の研究より

ガを誘引するのに有用なフェロモンは1つではなく色々研究されていますね。

日本に飛来していなかったツマジロクサヨトウの研究はまだ進んでいませんが、どれかが有効かもしれません。

おわりに

今回は今回はツマジロクサヨトウのビジュアル写真、特徴、見つけた時の駆除方法や通報先、それにケニアでの駆除方法の情報についてまとめました。

農産物へ甚大な被害を及ぼした害虫が飛来したといえば、恐怖におののいて取り乱してしまいそうになります。

ですが、冷静さも持って情報を集めていきたいとも思います。

害虫という呼び名をつけるのは人間の勝手で、ツマジロクサヨトウは虫として生きているのですよね。

私たちも生きていかねばなりませんが虫たちも生きています。

環境を考えて長い目でみた対応を取りたいと考えます。

すこしでも、良い選択を選んでいけるようにみんなで知恵を出していけるように考えてゆきたいですね。

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ギボンヌ
こんにちは。兵庫県在住のギボンヌです。 「人生は実験だ!」と思って生きています。 表も裏も上から下から、いろんな角度から覗いてみたいのです。